エコハウス居心地の良い居場所は自分でつくる

自分にとっての心地よさを探し求めて。ここから始まる私のサステナブルな暮らし

2021.01.09

ゲストハウス兼シェアハウスの管理人、有機農業、自宅のセルフビルドなど、 暮らしに紐づくものを自ら創る田中友美さん。 自らの理想の暮らしは、自ら創りあげる。 暮らしを創るって、どういうことなのか。 友美さんの思考を掘り下げていくと、とてもシンプルで気持ちの良い答えが テンポ良く返ってきた。 話を聞いているうちに、友美さんからのポジティブなエネルギーによってなんだかよくわからないが“想像”した事はすべて“創造”できる気になってきた。 友美さんの“想像”と“創造”に対するへんあいに触れてみてほしい。

友美さんは、東京都世田谷区出身。
地元公立小中学校、都立高校、ホテル専門学校を卒業し、帝国ホテルに勤めたキャリアを持つ。
今でも良い意味で少女のようなマインドを持つ友美さんだが、過去にどんなことを経験し、どんなことを学び、どんな道を歩んできたのだろう。

※農業仲間の山浦泰(本メディア掲載中)さんとの写真

「小学校4年生の時に高知県高岡郡大野見村(現在 中土佐町)に1年間山村留学をしたんだよね。都会のみで育つと自然の分からない子になってしまうという両親の考えで。3年生の妹、5歳の弟、母の4人で行った。父親はGWとか夏休みとかの長期休みだけ合流したけど、仕事が東京だったから基本お留守番。笑」

自然体験とかであれば旅行でもいい気がするが、あえて留学という選択をしたのは何故なのか。

「山村留学で行った学校は、全校生徒18人の複式学級で、ぐるりと山に囲まれ、校舎の裏側には四万十川が流れていて、”自然の中にある小学校”て感じ。体験した事は、田んぼでお米づくりをしたり、畑で大根を作ってその大根で沢庵を作ったり、梅の収穫をして梅干しを作ったり、茶摘みをして工場に送って、袋詰めされた商品にラベルを貼って、秋の文化祭で販売したり、四万十川で川遊びをして、飯盒炊飯の練習をしたりとか。アスファルトとビルでできた都会では体験できないことがたくさん体験できたかな」

現在の友美さんがやっている事となんら変わりがない、、、活きた学びってこういう事なんだなぁーと感じた。
中高時代はどんな学生時代だったのか。

「中学校では、一番最初に仲良くなった友達が日本育ちの台湾の子だったのもあって、漠然と海外とか外国語に興味を持ち始めた。英語の授業を受けている時も、果たしてこの英語は本当に海外で通じるのかな?みたいな疑問を持ったりしていて、高校は外国語コースのある都立高校に進学した。あ、あと“普通科普通コース”っていう響きがとにかく嫌で、“普通”じゃないコースを選びたかったのもあるかも。笑」

与えられた情報を鵜呑みにせずに本質を見抜こうとする姿勢。なんとなく“普通”という響きを毛嫌いできる個性。
現在の彼女の片鱗が見え隠れしてきた。この辺りから、“海外”とか“外国語”みたいなキーワードが出始めてきたが、高校卒業後の進路にも友美さんらしくシンプルに真剣に人生が展開していく。

「海外の人と関わる職業といえば、外国人向け日本語の先生かな?と思って、日本語教師を育成する専門学校を見学してみたの。対応してくださった現職の先生から“本当にいい先生になるには、4年生大学を出て、社会人になって社会経験を積んでから専門学校で学ぶのが本当にいい先生になれる道だよ“とアドバイスをもらったんだよね。確かに“そうだな”って思ったんだけど、さすがにそれは長いなーとも思って、他の海外の人と関われる仕事はないかなぁと探していたら、ホテルの専門学校に興味を持ったの。外国の方と触れ合えるし、旅行も好きだし、おもてなしにも興味があったから、ホテルの専門学校に進学する事にした」

ホテルの専門学校時代はどんな過ごし方だったのか。今の友美さんを形成する原体験はあったのか。

「1年目のトピックといえば、3ヶ月間のインターンシップかな。帝国ホテルのレストランで、お客様への“立ち振る舞い方”を学んだ。とっても気の使う仕事だなーと思ったね。笑
2年目は1年間休学をして、ワーキングホリデービザでカナダに留学した。この留学期間の中で特に衝撃だったのはWWOOFを使ったファームステイ体験。野菜を作って、販売して、自然環境が良く、景色が美しいところで生きている人たちの”暮らし“自体がすごく衝撃的だったんだよね。20代で感受性が豊かだった頃に、あの体験ができたのはすごく大きかったな〜。今考えると、小学校の時に山村留学をしていたこともあって、ファームステイを選べたのかもね」

日本にいてもカナダにいても、友美さんには“暮らしや自然”みたいなものが深くヒットする。決して他人事ではなく自分事として。

「その後、日本に戻った後は就職活動が始まって、インターン時にレストラン部を経験してあんまり楽しくなかったから、宿泊部を希望して帝国ホテルに入った。仕事の中身としては、テレフォンオペレーター(電話交換手)をやってた。内線、外線、客室からの電話の対応で学生の頃には全く想像もつかない仕事だったね。あまりにも性に合わず体調を崩し始めちゃって、最初は慣れてないだけだと思って我慢していたけど、半年経っても状況が悪化していくばかりで過呼吸になっちゃったりで、診断書を出してもらって退職した。」

体に症状が出るまで、我慢をし続けた彼女の責任感の強さを感じた。これまでの話の中で、彼女が惹きつけられてきた“暮らし、手作り、自然”みたいなキーワード達とのギャップを感じ、なんとなく合点がいった。

「この経験で都会の大企業が無理、通勤が無理という事がわかり、地方に目を向けるようになったんだよね」

友美さんはとことん自分の感覚に素直に従い、理想の暮らしを探し求めて国内、海外を廻った。

「お花の知識が全くないのに千葉の園芸会社で働いてみたり、25歳の時にもう一度ワーキングホリデーでフランスに行って5箇所、その後イタリアで4箇所の野菜農園で働いてみたり、そのフランスの農園主のもとでお世話になった方が長野県佐久市にいるとの事でご縁を繋いでいただいて、その農園でのお手伝いや、近所の農園で季節限定の住み込みのスタッフをやったり。あとは、淡路島に農業をやりながら暮らしている親戚の家があって、そこでお世話になりながら道の駅の直売所でバイトしたり、有機農家を訪ねたりしながら3ヶ月程度の島生活も体験したりした。」

仕事探しであり、拠点探しであり、暮らし探しであり、なんだかいわゆる“普通”の転職活動ではなく、友美さんらしいなぁ〜と思った。じっくりと時間をかけて現地に赴き自分の感覚に従って、次の一手を変に焦らない強さを感じた。
この一連の中で感じた事とは?

「海より山、海より川、暑いより涼しい、という自分の好みに気付いた。笑」

実にシンプルだった。笑

「そんなこんなで実家に戻って、冬はバイトで貯金、春は農園を尋ねるというサイクルを繰り返してたんだけど2年くらい経った時に、これまではご縁が繋がって行く先の農園が決まっていたのに、いったん止まったタイミングがあって、その冬の間はバイトはせずに頭の中にある自分のやりたいことの想像をスケッチブックにとにかく書き出したの。今までお世話になった人からは自分の農園を始めたら?とか結構言われたんだけど、農園がやりたいんだっけ?っていう疑問に駆られてね。自分の頭を整理していったら、たどり着いた答えが、“場所づくり”だったの。食べ物が作れる畑があって、ファームショップ(野菜が販売できる場所)があって、自分が色んな農園で受け入れてもらったような人を受け入れられる自然素材の家、あとはイベントスペースもあるみたいな。複合的な生業ができる自分にとって心地のいい居場所づくりだってなった」

ヴィジョンが明確になり、場所づくりのスキルアップと実践する場所探しの旅へ。
軽のバンを手に入れ、まずはセルフビルドのスキルアップをする為に和歌山県紀の川市へ行く事にした。滞在している中で、やはり冷涼な気候が身体に合う、そしてヨーロッパやカナダに似た山並みを好んで長野県に戻る。

長野県では、 ドイツパンとお菓子の店で3人の子供のベビーシッターをしたり、古民家カフェ立ち上げの伴走でDIYをしたり、新規就農を目指す農家さんの支援をしたりで、いろんなご縁が紡がれていき、現在の辰野町に辿り着いたそう。
これまで数多の地域を訪れた友美さんが辰野町を拠点にしようと思った決め手は何だったのか。

「辰野町は“人の気がいい。ご縁がありそうだと思った。自分で好きな様に種蒔き出来る畑がある、人がたくさん出入りするWWOOFerの受け入れや宿とか理想とする場所づくりができる土地がある“の3つ。それと、引越し資金がなかったから住み込みでできる仕事がないかどうかを地域おこし協力隊の方に相談をしたら、その翌日に現所属のゲストハウスのオーナーと出会って、住み込みで働けることが決まったの」

運命ってこういう事なのかなって少しロマンを感じてしまった。現在の友美さんは具体的にどういったことを活動しているのか。

「今は、絶賛セルフビルド中です。」

下記が友美さんの“想像”と“創造”の全てです。

【青い屋根の家セルフビルドプロジェクト】
○テーマ
『壊す そして 創る』
有るものを壊す。そして無いものを創る。想像は無限に私の内に。そしてあなたの内に。

「表そう」
それは発想。表に出して示していく。居心地や気持ちを色で、形で、音で、香りで。

「現そう」
それは発揮。隠れていたものが見えるよう。あなたの知恵を、知識を、才能を、特技を。

「顕そう」
それは発信。広く世界に知らせてみる。自然の素材を使うこと、自然の力を活かすこと。

地球にやさしく寄り添い、次世代に残していく。

詳細についてはこちらを是非覗いてみてください。どなたも、このプロジェクトに携わることができます。ちなみに、いつの間にか私も友美さんの”想像”と”創造”に惹かれてしましいプロジェクトの一員になってしまいました。笑

【お手伝いStay〜宿泊割引きプラン〜】居心地の良い暮らし・快適な住まいを作る

友美さん、この度はとっても濃いお話ありがとうございました。

 

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