イギリス留学パイログラフィーポールダンス

絵を描き、ポールダンスをする。〜自分の頭の中を可視化する、自由な表現でステレオタイプから開放される心地よさ〜

2021.01.12

3歳児〜中学生向けの英会話講師を軸に、画家、ポールダンサー、パイログラファーなど、マルチに活動している原田歩実さん。 自分の好きなことや、やりたいことをマイペースに続けている“歩実さんにとっては普通” のライフスタイルに憧れを抱く人もいるのではないか。 歩実さんが何を経て、何を感じ、何を起こし、このへんあいに辿り着いたのかを覗いていきたい。

歩実さんは、信州大学人文学部英米文学分野の出身。
何故英米文学を専攻したのだろう。

「地元の高校を卒業した後、興味があった美術史を学べる大学に行きたかったんだけど、落ちてしまって、滑り止めの短大に入学する事になった。その短大の資料室でヴァージニア・ウルフの詩みたいな小説と出会って、英米文学に興味を持ちはじめて、短大卒業後に編入試験を受験して信大に入りました」

元々は美術史に興味があったものの、受験の結果としてはご縁がなく、滑り止めで入学した短大の資料室で素敵な作家との出会いがあった。その出会いが歩実さんの人生を小さく動かした。

「大学卒業後は海外との取引をする仕事がしたくて、貿易事務業務があるロボット製造の会社に入社して、3年半働きました。その後はイギリスのサウスボーンに語学留学に行きました」

大学は英米文学分野、新卒で入社した会社での業務は憧れの貿易関係、、、とても綺麗なラインで進んでいるのに何故退職して留学をしたのか?

「最初の2年は、配属の関係でやりたい仕事はすぐにはできなかったけど、途中で希望をしていた貿易事務の部署に異動して1年半やりたい仕事ができて嬉しかった。ただ、異動してから1年過ぎたあたりからずっとここにはいないなぁとなんとなく思いはじめたのと、やり切った感もあってやめたのよね〜。充実もしてたし、嬉しかったし、やり切った感もあった」

転職先を見つけて退社はする人が大半の中、次の進路を決めずに、一旦立ち止まって素直に自分のしたいことを見つめる時間を設ける彼女はやはり良い意味でマイペースだと思った。その後、イギリス留学は何故?

「ずーっとイギリスに憧れがあって、旅行とかではなく長期でイギリスに住みたいと思った。語学留学で行ったけど、語学留学をしているつもりは全くなかったね。イギリスに対するステレオタイプの期待があって、例えばティーを1日に何杯も飲んで、アフタヌーンティーとか楽しんで、世界中の人と友達になれて、英語も上手になれて、楽しいんだろうなーみたいな期待、期待というか絶対にそうさせるぞみたいな」

イギリス居住の目的の全てはこれだったのか?

「イギリス英語がめちゃくちゃかっこいい、私が好きなヴァージニアウルフさんの現地での文学イベントに参加したい、あーあと、3年半働いていっぱいいっぱいになってた部分もあって、私の事を誰も知らないところに行って自分を変えたい、リフレッシュしたいとも思ってたかも」

8ヶ月半のイギリス生活が終わり、日本に帰国し、英会話講師になった。
ところで歩実さんのへんあいである“絵を書くこと、ポールダンサー、パイログラファー”にはどうやって辿り着いたのか?まだ若干見えてこない、、

「これ、全部3つともイギリスではじめたこと。絵はもともと小さい頃から好きだったけど、うん、ちゃんとお金をいただいてやってみようと思ったのはイギリスに行ってから」

なるほど、へんあい中の自分てどんな感じなんですか?

「えーとまず、絵については風景を見てとかではなくて、ふとイメージが頭に浮かんで、自分の頭の中の想像を目に見える形にできる喜び、その絵を欲しいって言ってくれる人がいる喜び、しかもそれでお金をいただける喜びかな〜。あ、あと本当の自分と繋がっている時間だからとても大切」

そもそもどういうきっかけで始めたのか?もともと好きだったからやったのか?

「コロナでイギリスがロックダウンになり、強制的にやることがなくなって、お金も時間もある中で一番にやりたいと思ったのが絵だった。もともと好きだったのもあったけど。それと、そもそもロックダウンの前からイギリスでの過ごし方として本当に自分がやりたいことを自分に聞き続けて、やりたいと思ったことをやるっていう意識を常に持ち続けてた。本当の自分に繋がりたいって思ってイギリスに行ったのもあったから。ボールダンスについては、ホームステイ先のホストマザーがやっていて、誘ってもらって自然な流れで一緒にやる事になってたかな。笑」

彼女は自分の内側の声に耳を澄ませる事がへんあいの見つかり方だった。意識的にそれを行う場所がイギリスだった。イギリスに住む事になったきっかけは、不本意な受験結果で入学した短大の資料室だった。人生において意味の無いことなど無いとはよく聞くけど、改めてそれが実感できてなんだかインタビューをした私が勇気づけられた。

最後に“へんあい”を見つけたい人に一言お願いします。
「日常の中で自分と会話をすること。例えば私の日常では、コンビニでお茶を買う時、98円の安いお茶よりも綾鷹を選ぶとか。笑」

彼女はとても透き通った声が印象的で、場の空気を全て感じ取ることができるような繊細なセンサーを持ち合わせつつも、とても芯のある人間だと感じた。歩実さん、この度はありがとうございました。

O to & | 音十 |辰野町

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